外貨建て預金は おすすめ? 罠? おススメ出来ない理由を解説!
2022年に入ってから、米国の急激な利上げペースで円安が進んだ日本円。
日本は低金利の状態が20年近く続いているんだけれども、米国においては景気刺激策として急激に金利を下げてしばらくすると金利を3%程度に戻してくる。
という事は円で定期預金を始めるよりも外貨建ての定期預金をした方がお得なのでは?
って考えられる方も多いんじゃないかと思うんだけれども、今回はその外貨建て預金についてメリットデメリットから考察してみようと思う!
僕は外貨建て預金をする人の気持ちはわかるなぁ
ただ、外貨建て預金のデメリットもしっかりと理解しておかないとね。
知らなかった、だったら後悔しても遅いので今回はデメリットをあげていくね❢
外貨建て預金をおすすめしない理由とは?
為替変動リスクを全部自分が被らないといけない!
外貨建て預金は日本円に比べて金利が高い!
都市銀行ではどれくらいの金利になっているのかというと、日本円の金利が0.001%に対して下の表をご覧頂くと。
外貨普通預金金利(米ドル) | 1年定期(米ドル) | |
住信SBIネット銀行 | 0.700% | 2.200% |
ソニー銀行 | 0.700% | 2.150% |
楽天銀行 | 0.010% | 1.210% |
イオン銀行 | 0.150% | 2.400% |
※2022年8月19日現在。各銀行のホームページ調べ。
日本円の普通預金は0.001%。
定期預金の1年物で大体0.002%の金利で推移しているので円預金に比べると相当高い!
円預金にしても、外貨預金にしてもネット銀行の方が金利やその他の手数料等もお得な傾向はあるのでネットバンクはおススメする。という話は今回は置いといて、どうしてこういった高金利商品であるにも関わらずお勧めしないかというと、
為替変動に対するリスクを全て自分がとる事になるから・・・。
例えば今回の調べでは1年定期で一番金利が高いイオン銀行を例にあげて紹介してみると、1年定期で2.4%。
なので円預金で考えると100万円預けると1年後には2.4万円(税金考慮せず)の利息がゲットできる計算にはなるんだけれども、ここに為替変動リスクが潜んでいる。
※三菱UFJ銀行外国為替相場チャートより引用
過去10年間のドル円チャートを見てみるとわかるんだけれども、10年前の2012年には1ドル70円台の急激な円高相場だったのが2022年8月19日現在1ドル136円。
仮に今日、1ドル136円で100万円ドル建てで預けたとして2.4%の金利で、来年の8月19日のドル円が132円だったとすると・・・。
2022年8月136円でドル定期に預ける=約7,353ドル
7353ドル+2.4%の金利=約7,529ドル
円に換金すると7,529ドル×132円=993,828円
という事で、ドルで預けた事によって2.4%の金利をいただいて・・・。
元本割っとるやんけ!
こういった状態が起こる可能性は十分ある。
なので、外貨建て預金を普通の円預金の感覚で始めてしまうのにはリスクが高すぎる。
去年2021年の今頃は1ドル110円前後だったので、この程度のリスクは日常茶飯事。
ちょっとしたギャンブルに近い感覚である事を知っておいて欲しい。
手数料が高い!
都市銀行のような有人の銀行は手数料は高いのはよくわかるんだけれども、ネット銀行でも手数料がかかる。
円からドル(1ドルあたり) | ドルから円(1ドルあたり) | |
住信SBIネット銀行 | 6銭 | 6銭 |
ソニー銀行 | 15銭 | 15銭 |
楽天銀行 | 25銭 | 25銭 |
イオン銀行 | 0銭 | 50銭 |
↑の表でネット銀行の手数料をまとめてみたけど、都市銀行なんかだったら為替手数料はもっと高い。
住信SBIネット銀行は為替手数料が抜きんでて安いんだけれども、それでも手数料はかかってくる。
注目するのはイオン銀行で、円からドルに預ける時は手数料がかからない事を売りにしているみたいなんだけれども、ドルから円への転換は1ドルあたり0.5円もの手数料がかかってくる。
外貨建て預金の敷居を下げる為にこういった方法を取っているのだろうと思う。
おそらくは、外貨建て預金をされる方って円で預金しても金利がほとんどつかないから外貨で預けて多く金利をつけてもらおうって考えてるんだろうと思うんだけれども預ける時も、円に戻す時も、手数料を取られてしまう事を忘れてはいけないのである。
外貨建て預金で得た利益に対しては税金がかかるし、確定申告が必要になる場合がある!
日本円でも株式でもそうなんだけれども、増えたお金に対して約20%の税金がかかる事になっている。
ちょっとややこしい話にはなるんだけれども、為替の問題で円換算して増えていなかったとしても、ドルで増えていた場合は金融所得課税がかかってくる。
・まずは為替手数料がかかるので
10,000円-0.25%=9,975円
・金利1.210%なので利息が
9,975円×0.0121=120円
・利息には20%の税金がかかってくるので
120円×0.2=24円
・1年後の外貨預金の残高を計算してみると
9,975円+利息分120円-税金24円=10,071円
・で、このお金を円に戻そうとすると手数料がかかってくるので
10,071円×手数料0.25%=10,045円
全く為替の変動がなかったとしても、1年後には10,045円になっている。
色々と手数料や税金がかかってきて、為替リスクが完全にゼロで計算したとしても実際の金利は0.45%になっている。
これは楽天銀行っていうネット銀行で、比較的低めの手数料の銀行で計算してもこうなってくるので、他の銀行だったら為替リスクがゼロだったとしても元本割れが起こってしまう可能性も出てきてしまう。
また、外貨建て預金で運用中は別に大丈夫なんだけれども円に換金する際に為替差益(1ドル100円の時に購入したドルが売る時は1ドル110円になっていた場合等)が発生した場合は、めんどくさいんだけれども確定申告の対象となる。
まぁその為替差益の金額が20万円以下であれば確定申告は必要ないんだけれどもね。
ペイオフの対象外であるという事!
日本の銀行は、仮に銀行が破綻した場合でも1,000万円までなら保護してくれる制度というものがある。
その制度の事をペイオフ(預金保険制度)というんだけれども、外貨預金に関しては実はペイオフの対象外になっている。
なのでドルやユーロで、円換算にして数億円どこかの銀行に預けている場合、その銀行が破綻してしまったら外貨で預けている分は返ってこない・・・。
日本は銀行の数が多すぎると言われている位なので、将来的にどこかの銀行が破綻しないとも言い切れないので、その辺りは銀行の破綻もあり得るって考える方が自然なんだろうと思う。
なぜ外貨建て預金を銀行はすすめてくるのか?
手数料を何段階かでもらう事が出来るから!
外貨建て預金って何段階かにわたって、銀行に手数料を払う事になっている。
円から外貨に交換する際に手数料。
外貨から円に交換する際に手数料。
円を外貨で預けて、引き出すだけで2回も手数料を取られている。
もちろん、銀行って手数料だけで運営している訳では無いんだけれども、銀行の大きな収入源である事は間違いない。
金融機関と取引を行う場合は金利や手数料、税金に関する事は意識して付き合う事が大事だと思う。
お客さんから預かった外貨預金を外国の銀行に預けて銀行の儲けにしている事も多い!
日本に住んでいる我々は低金利が20年くらい続いているので、実感がないのかもしれないけれども、米国やその他外国の銀行なんかでは預金金利は3%とかって普通に存在する。
日本で『外貨建て預金はお得ですよ~!』って2%位の金利でお客さんに売って、銀行自身はその外貨を外国の銀行に預けて3%位の金利を頂く。
手数料と金利の2重取りを行っているのだ!(全ての銀行ではないけどね)
なのでオイラとしては資産を増やす目的として外貨建て預金はおススメしないのである。
まとめ!
リスクを背負って低リターンな外貨建て預金をするのなら全世界インデックス投資をすべし!
いかがだったでしょうか。
今回は外貨建て預金について説明してみました。
よく見てたら外貨建て預金って銀行にとってのリスクって殆ど無くて、お客さんがリスクを背負っている構図になっているんですねぇ。
怖いです。
ただ、オイラ自身は外貨を持つこと自体は否定しているわけでは無くて、外貨建ての積立預金を行うのなら全世界インデックス投資等を行う方が利回りは良いしおススメ出来ると思っているだけなんですけどね。
ただオイラだったら米ドルの場合、円転せずに米国ETFであるVOOやVYM、SPYDにドルのまま投資で使っちゃいますけどね。
その方が手数料も安いし、資産は大きくなると思うので!
↑このあたりのETFに投資しますかね。
これらのETFは楽天証券、SBI証券で買う事が出来るので興味のある方は読んで頂けると嬉しいですね(^^♪
今回も皆様のお役に立てたら幸いです!
次回も役立つ情報を発信出来るように頑張りますので、よろしくお願いします!
以上!