【日本のバブル経済】バブル崩壊の原因と日本経済の混乱について考えてみる
日本は1980年代後半から1990年代初頭にかけて、株価や土地価格が急騰し、経済が過熱した時期がありました。
これを中身の無い泡が、あふれて弾ける様子に例えてバブル経済と呼びます。
しかし、バブルは1991年に崩壊し、日本経済は長期にわたって停滞しました。
この記事では、バブルがなぜ発生し、なぜ崩壊したのか、筆者なりに考えていきます。
日本のバブル景気かぁ。
話ではよく聞くけど、僕はそんなに景気のいい状態を知らないんだよね^^;
バブル崩壊から30年の時間が経っているし、その間にバブル景気を上回る景気は無かったからね。
最近でこそ「バブル期以来の株高」と言われているけど、それまで30年もかかっているのだから、感覚が麻痺してくるよね。
バブル景気って一体何だったのか考えてみるね❢
日本のバブル景気とは一体何だったのか
多くの人々が豊かな暮らしを楽しみ、派手な消費や投資を行った時代だった
日本のバブル景気とは、1986年から1991年までの約5年間にわたって、株価や地価が急騰し、経済が繁栄した時期のことです。
この時代には、多くの人々が豊かな暮らしを楽しみ、派手な消費や投資を行いました。
バブル景気で浮かれていたエピソードは数え切れないほどありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
ゴルフの会員権が急騰
ゴルフ場の会員権を買う人が殺到し、最高で1億円以上もするものもありました。
ゴルフ場に行くだけでなく、会員権を売買して儲ける人も多くいました。
ゴルフ場は社交の場としても重要で、ビジネスや政治の話がされることもありました。
こういった話を聞いていたので、筆者は今でもゴルフは「お金持ちの趣味」という感覚が抜けていません。
今ではそんな事はないと思いますが。
ゴルフの会員権とは、ゴルフ場の利用権を持つことを意味します。
会員権を持つと、ゴルフ場の施設やサービスを優先的に利用できたり、割引料金でプレーできたりする特典があります。
会員権の種類には、個人会員権、法人会員権、家族会員権などがあります。
会員権の価格は、ゴルフ場の人気や立地、供給と需要などによって変動します。
高級車やブランド品の人気が高まった
バブル景気の象徴とも言える高級車やブランド品に対する需要が高まりました。
特にベンツやロールス・ロイスなどの外国車は人気で、中には金色に塗ったり、ダイヤモンドを飾ったりしたものもありました。
ブランド品もルイ・ヴィトンやシャネルなどの有名なものから、マイケル・ジャクソンやマドンナなどの海外セレブが愛用しているものまで、何でも手に入れようとしたと言われています。
海外旅行も盛んになった
バブル景気によって旅行業界も活況を呈しました。
国内旅行だけでなく、海外旅行も盛んになりました。
特にハワイやグアムなどの南国リゾートは人気で、航空券やホテルが予約できないほどでした。
旅行先ではショッピングやナイトライフを楽しみ、お土産には高価な宝石や時計を買う人もいました。
今の中国観光客による爆買いに似ていますね。
パーティやディスコが盛んに
バブル景気ではパーティーやディスコなどの娯楽も盛んでした。
特に若者は金曜日の夜から月曜日の朝まで遊び続けることも珍しくありませんでした。
ディスコでは派手な服装や髪型で踊り、シャンパンやカクテルを飲みました。
パーティーでは豪華な料理や芸能人の出演などで盛り上がりました。
ディスコとは、レコードやCDをかけて音楽を流し、客にダンスをさせるダンスホールのことです。
ディスコは1970年代にアメリカで流行し、ロックやソウル系の激しいリズムの音楽が特徴でした。
ディスコは若者のストレス発散や社交の場として人気がありました。
現在「クラブ」と言われているものが、ディスコに近いと言われています。
結婚式が派手になった
バブル景気では結婚式も豪華になりました。
教会式やホテル式が主流になり、ドレスや指輪は高級なものを選びました。
披露宴では多くの招待客を迎えて料理や音楽を楽しみました。
新婚旅行では海外へ行くことが多く、ヨーロッパやアメリカなどの長期の旅行もありました。
今の時代から振り返ると、羨ましすぎる内容ですね。
それでは何故、バブル経済が始まったのかを考えてみましょう。
何故、日本にバブル景気が訪れたのか
バブル景気の発端は、1985年の「プラザ合意」でした。
これは、アメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・日本の先進5カ国が、アメリカの貿易赤字を解消するためにドル安を目指すことで合意したものです。
プラザ合意によって円高が進み、日本の輸出産業は打撃を受けました。
そこで、日本銀行は金融緩和策を実施し、公定歩合を引き下げました。
公定歩合とは、日本銀行が民間の金融機関に貸し出す際の金利です。
公定歩合が低くなると、金融機関も低金利で融資を行いやすくなります。
このことで、企業や個人は積極的に借り入れを行い、不動産や株式に投資するようになりました。
投資が繰り返されることで、不動産や株式の価格は上昇し続け、バブル経済が形成されました。
バブル経済は約5年で崩壊へ
バブル経済はやがて崩壊へ
不動産や株式などの資産価値が、実体以上に高騰する状況が続いていた日本ですが、やがて崩壊は訪れます。
日本では1980年代後半から1990年頃にかけてバブル経済が起こりましたが、その後急速に崩壊しました。
では、なぜバブル経済が崩壊したのでしょうか。
ここでは、バブル崩壊の原因を3つ挙げて説明します。
①金融政策の転換
バブル経済の発端は、先ほど説明したように1985年のプラザ合意です。
プラザ合意によって円高が進み、日本の輸出産業が打撃を受けました。
そこで日本銀行は公定歩合を引き下げて金融緩和を行いました。
これによって企業や個人は安くお金を借りられるようになり、不動産や株式に投資するようになりました。
しかし、この金融緩和は過剰であり、資産価格のバブルを引き起こしました。
1989年から1990年にかけて、日本銀行は金融引き締めに転じて公定歩合を引き上げました。
これによって投資意欲が低下し、資産価格が急落しました。
②総量規制の実施
1990年3月、大蔵省(現・財務省)は金融機関に対して不動産関連融資の総量規制を通達しました。
総量規制とは、融資額に上限を設けて借り過ぎや貸し過ぎを防ぐ対策です。
この通達によって不動産投資が抑制され、地価が下落しました。
この辺りは広末涼子さん主演の映画「バブルへGO」で、コミカルに描かれています。
③地価税法の施行
1991年には地価税法が成立しました。
これは、一定以上の土地を所有する企業や個人に課される税金です。
1992年から地価税が徴収されるようになりましたが、これはバブル期の土地取引の是正と公平な負担分担を目的としたものでした。
しかし、地価税の導入によって土地を手放す人が増え、供給過剰となりました。
また、売れ残った土地を抱えたまま借金を返せなくなった企業や個人も多くなりました。
バブル崩壊後の不景気はなぜ30年も続いたのか
バブル崩壊後の不景気は、なぜ30年も続いたのでしょうか。
その理由としては、以下のようなものが挙げられます。
①政策の失敗
バブル崩壊後の日本政府は、不景気からの脱却を目指してさまざまな政策を実施しましたが、その多くが失敗に終わりました。
例えば、公共事業を増やして景気刺激を図ったものの、効果は限定的で財政赤字を拡大させるだけでした。(小泉政権では公共事業は縮小した)
また、消費税率を引き上げたことで消費者心理を冷え込ませることになりました。
さらに、政治的な混乱や汚職事件も相次ぎ、政府の信頼性や実行力が低下しました。
②構造的な問題
バブル崩壊後の日本経済は、国際競争力の低下や労働者人口減少などの構造的な問題に直面しました。
特に、高度成長期に築かれた産業構造や雇用システムは、変化する環境に対応できず、生産性や効率性が低下しました。
また、規制や制度も時代に合わせて改革されることが少なく、イノベーションや新規参入を阻害しました。
③金融システムの不安定さ
バブル崩壊で多額の不良債権を抱えた金融機関は、貸し渋りや貸し剥がしを行い、経済活動に必要な資金の供給が滞りました。(実際銀行への公的資金投入も遅れました)
また、金融機関自体も経営危機に陥り、大手金融機関の破綻や合併が相次ぎました。
これらのことで、金融システムの信頼性が低下しました。
以上のように、バブル崩壊後の不景気は、金融システムの不安定さ、構造的な問題、政策の失敗という3つの要因が重なって長期化したと考えられます。
この不景気からの脱却には、金融システムの安定化、産業構造や雇用システムの改革、効果的な財政政策や金融政策の実施などが必要です。
しかし、これらのことを実現するには、政治的な意思や決断力が求められます。
まとめ
好景気直前の日本。一度はバブルに踊ってみたいですね^^
いかがでしょうか。
今回は1980年代後半から1990年前後、実際に日本でおこったバブル経済を解説してみました。
筆者自身は40代なので、社会人になってからバブル経済というのを経験した事がありません^^;
50代半ば以降の世代じゃないと、バブル経済を経験していないと思うので、現時点で現役の労働者の方は、殆どバブル景気を経験した事が無い世代だと思われます。
2023年は30年前の日経平均株価に迫ろうとしており、ようやく長い不景気のトンネルから抜け出そうとしています。
40代より若い世代も、景気のいい状態を経験したいですね。
給料が上がってきたら、余力分は投資に回して、余裕のある生活を送っていきましょう。
参考にして頂けると嬉しいですね❢
今回も皆様のお役に立てたら幸いです。
次回も役立つ情報を発信出来るように頑張りますのでよろしくお願いいたしますっ!
以上!