【新ファンド誕生!】eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスはどんな投資信託?
2023年1月12日。注目の新ファンドが誕生しました!
その名もeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス!
現時点(2023年2月)では楽天証券、SBI証券、マネックス証券の3証券会社のみの取扱いとなっています。
どんなファンドなのか、気になる方も多いeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスの中身について分析していきます。
S&P500の中から高配当銘柄を絞り込むの?
そもそもS&P500自体も絞り込まれた銘柄ばかりなのだけど、そこからさらに絞り込む感じだね❢
わかりやすく解説するね❢
簡単にね!
結論。S&P500と比較すると弱気相場に強いファンドであるという事が期待できる
eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスとは
eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスとは、S&P500ダウ・ジョーンズLLC社が算出、公表しているS&P500クオリティ高配当インデックス指数の値動きに連動する投資成果を目指すファンド。
設定日が2023年1月12日で、誕生してからまだ1カ月ちょいの期間ですでに純資産が13億円を超えていて、順調に純資産を伸ばしている投資信託です。(楽天証券積立設定件数ランキングでも14位:2023年2月13日時点)
100円以上1円単位で購入する事が出来るので、個人投資家の方も非常に買いやすいファンドであると言えます。
手数用も割安で、売買に対する手数料は無料であり、信託報酬は0.33%(税込)ですが、純資産の総額が増えると信託報酬が下げられるようあらかじめ設定されています。
※eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス目論見書より引用
手数料が安いのはありがたいのですが、中身が伴っていないと意味がありません。
次はファンドの中身を見ていきます。
S&P500クオリティ高配当インデックスの中身は?
基準となる指数はS&P500クオリティ高配当インデックスです。
ではS&P500クオリティ高配当インデックスとはそもそもどんな指数かというと、クオリティ・スコア及び配当利回りに基づいて、S&P500の中で上位200位以内にランク付けされる銘柄で構成される指数です。
と、言われてもピンと来ないですね。
なのでS&P500ダウ・ジョーンズ社が、S&P500クオリティ高配当指数について説明している所から引用してみます。
※S&P500ダウ・ジョーンズ社『S&P500クオリティ高配当指数』より引用
上の図のように3つの要素を満たしている、S&P500銘柄の中の上位200銘柄を抽出している指数となります。
この3つの要素を一つずつ説明していくと
自己資本利益率とは、株主が出資したお金に対して企業が、どれだけ利益を上げる事ができたのか?という事を示す数値です。
別称ROEと言われ、当期純利益(1期で企業が株主にもたらした利益)÷自己資本(企業が持っている返済する必要のないお金)×100%=ROE(自己資本利益率)となります。
すごく単純に説明すると『対象となる企業に投資すると、どれだけ効率よく儲けられるか?』という基準となる為、ROEが高いほど『経営効率がいい企業』と言われます。
一般的にはROEが10%以上だと『投資価値あり』と言われています。
アクルーアル比率(会計発生高)とは、利益の質を算定する為の指標です。
(税引き後利益-現金収支)÷総資産=アクルーアル比率 として求める事が出来る指標で、現金収入を伴った質の良い利益を出しているかどうか?を見る為に使われます。
現金収入を伴った収支は多ければ多いほどアクルーアル比率がマイナスとなり、マイナスが大きいほど質の良い利益としてみられます。
トヨタ自動車(2020年決算)を例に挙げると (税引き後利益)約2.1兆円-(現金収支)約3.6兆円=(アクルーアル)-約1.5兆円 となり、トヨタ自動車の総資産約53兆円の積は (アクルーアル)1.5兆円÷53兆円(総資産)=(アクルーアル比率)-2.8% となりマイナスとなっている為、利益の質が良い経営をしている。という事になります。
総負債比率とは、企業の財務健全性を計る指標で、総資産における負債比率の事。
計算式は 総負債÷総資産=総負債比率 となる。
簡単に説明すると、負債(いつか返さないといけないお金)が総資産より少ない方が、倒産の可能性が低くなり、企業の安全性が高いという事が言えます。
つまり
自己資本利益率が高く(経営効率が良くて)
アクルーアル比率が低く(質の良い利益を出して)
総負債比率が低い(安全性が高い)
3つの要素を備えた銘柄をS&P500の構成銘柄からクオリティスコアとして算出し、上位200銘柄以内にランク付けされる銘柄を、均等に組み込んだ指数がS&P500クオリティ高配当指数です。
元々世界最強の指数と言われているS&P500の中から、財務優良な200銘柄で構成されている指数なので、下落局面での強さが期待されます。
S&P500指数と比較して優れている点
長期で見ても、高いリターンが期待できる
appleやGoogle、Microsoftのようなハイテク銘柄に重きをおかず、財務健全、高配当企業を集めた指数と聞くと、長期目線ではS&P500の成長に勝てない印象があると思います。
そこで1996年から2019年までの20年以上の比較表を用意しました。
出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス LLC
上のグラフはS&P500とS&P500クオリティ高配当指数の比較表なのですが、1996年から20年以上の数値で比較しても、S&P500を大きく上回っている事がわかります。
しかもかなり大きく上回っています。
1996年に仮に1万ドル(約130万円)を投資していたら、S&P500で6万ドル(約780万円)まで資産は膨らみ、S&P500クオリティ高配当インデックスに投資をしていたのなら11万ドル(約1,430万円)にまで膨れ上がっていたという結果になります。
なので、S&P500クオリティ高配当指数は長期目線で見ても、高いリターンを期待できる投資先であると言えますね。
弱気相場、下落相場での耐性はやはり強い
先ほどから下落相場で強い、と何度も説明してきましたが、その事を表しているのが次のグラフです。
出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス LLC
紺色の部分がS&P500クオリティ高配当指数の値動きなのですが、水色のS&P500指数に比べるとマイナス幅が小さく、下落相場での強さがみられますね。
下落相場では自己資本比率が高い(現金を多く持っている)銘柄や、不況時に強いセクター(食品、医療、ヘルスケア)といった分野が買われやすいので、元々そういった指標で選ばれているS&Pクオリティ高配当インデックスの特徴が見えますね。
S&P500クオリティ高配当指数のデメリット
ファンド名に高配当とついているけど、配当金が出るとは限らない
eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスはあくまで、S&P500クオリティ高配当インデックス指数に連動する事を目指した投資信託で、配当金を受け取れる訳ではありません。
えっ!?
と、驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、S&P500クオリティ高配当インデックスっていう指数に連動する事が目的の投資信託なので、その配当金は再投資されて、基準価額を上げる為に使われます。
その辺りは以前に紹介した Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式) と似ていますね。
この2つの投資信託は高配当な銘柄に投資しているけど、配当は再投資されて基準価額を上げる方向で使われます。
なので売却する際の売却益(キャピタルゲイン)で、投資家の方々に還元する方針の投資信託という事です。
参考にして頂けると嬉しいですね❢
S&P500クオリティ高配当インデックスに投資して、配当金を得たいならQDIVというETFがあります
クオリティ高配当インデックスという名の通り、配当金を得る生活をしたいなら QDIV という米国株式ETFがあります。
SBI証券、楽天証券で購入する事が出来て、尚且つ毎月分配金を出してくれています。
設定されたのが2018年7月13日なので、まだ開始してから5年位の運用ですが配当金は約3%、設定は25ドルで開始したが現在(2023年2月)は32ドル付近をウロウロしています。
出所:楽天証券より
2020年のコロナショックの際には下落がみられますが、2021年以降は25ドルを下回ってはいませんね。
S&P500指数から厳選された高配当銘柄が集まっているので、これからも期待が大きいETFであると言えるでしょう。
参考にして頂けると嬉しいですね❢
まとめ
インデックス投資先としては魅力あり。ただし、配当金はでません。
いかがだったでしょうか。
今回は2023年1月12日に設定、運用を開始したばかりのeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスについて紹介、解説してみました!
おもしろいファンドであり、これから先もよく登場する指数になるのかもしれませんね。
ただ、筆者としては米国に積立投資するのなら、S&P500かVTIに投資する投資信託がいいですね。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称楽天VTI)といった投資信託の方が好みです。
ただ、高配当ETFとしてQDIVには非常に興味ありますね。
いずれはVYMと肩を並べるETFになるかもしれません。
参考にして頂けると嬉しいですね❢
今回も皆様のお役に立てたら幸いです!
次回も役立つ情報を発信出来るように頑張りますのでよろしくお願いいたしますm(__)m
以上!